第13夜 名古屋系とは? 前編
ヴィジュアル系というとたくさんの用語が出てきて、そこで分けわからん!ってなる人が多いと思います。なんで、あさーくではありますが、少し解説をしてみようと思います。
名古屋系とは?
明確にこういった音楽という形はないのですが、主にダーク系で陰鬱な世界感をもち、暗く思い雰囲気のものが良く名古屋っぽいと言われます。しかしながら、そういったバンドばかりでもなく名古屋にいるバンドがそういった音楽のバンドばかりだからというわけではありません。
では、なぜ、名古屋系というものがそういったイメージのジャンルとして確立したのか?
お土地柄なのかどうかは名古屋に住んだことがないので分かりませんが、90年代前半に名古屋から排出された有名バンドが総じてそういったバンドがメインで出てきたからです。
個人的な見解なので、賛否はあると思いますが大きく4つの流れがあります。
~起源~
名古屋系の礎を築いた2つのバンドが90年代前半に名古屋シーンでムーブメントを起こします。「名古屋の2大巨頭」と言われたバンドです。
皆さんご存知の「黒夢」そして、「Silver Rose」が名古屋のシーンを盛り上げます。
ダークな世界線で暗さ、闇さ加減が名古屋のバンドキッズたちの心を掴みます。
黒夢
以前の記事でもご紹介しましたのでそちらを参照。※第3夜参照
初期象徴曲「磔」「亡骸を」
」
SilverRose
黒夢は上記のダーク感₍のちの͡コテ系と呼ばれるコテコテのヴィジュアル系感₎に当時はやったポジパンにゴシックさ取り入れたスタイルを、銀薔薇₍Silver Roseの通称₎は意外とストレートなロックチューンが主。いわゆるポジパンの流れを強く組んだ中で切なさを激しく歌うという反相する要素を入れたスタイル。
代表曲「keen Kiss Me」「cry Heart」
そして両バンドともに、黒を基調とした衣装。
ポジパンの流れは汲んでいるがフレーズに注目してほしいのが、マイナー感のあるコード構成を中心にした、テンポがあっても暗い世界感。
この要素が名古屋では形として後のバンド達に波及していきます。
~認知~
この両バンドが築いた流れが名古屋で形をしっかりと形成します。そして、名古屋系というものを世間に完全に認識させたバンドが世に殴り込みをかけます!
黒夢がメジャーデビューで去り、銀薔薇がメジャーを目前に解散。
この、銀薔薇の主要メンバーが新しいバンドに加入や結成していきます。
ギターのkouichiが「Laputa」。ベースのkaikiが「ROUAGE」。ドラムのkyoが「Merry go Round」そして、そのバンド達とともにシーンを盛り上げたバンドが多数でてくるのですが、特筆すべきは「Sleep My Dear」「FANATIC◇CRISIS」この5バンドがのちにメジャーへ進出していき、「名古屋系」というV系ファンの認知を不動のものとした。
Laputa
ヘビィ&ダークかつメロディアスであり、最も名古屋系と呼べる存在ではないでしょうか。メジャー中期までしっかりと名古屋節を貫き、後期はデジタルサウンド主体でマリリンマンソン的な曲調になっていった。私は、V系のギタリスト5選を挙げるなら迷いなく入れるくらいkouichiが好きです。彼の作る曲はどれも素晴らしい!特徴的なaki₍vo₎の声質もさることながら演奏のスキルが非常に高く、激しい一辺倒ではないドラマチックな仕掛けが多いバンド。
オススメ曲 「硝子の肖像」「VirginCry」
Laputaはどこを聞いてもらしさが分かるのですが、singleはもちろん捨て曲無し。今回のテーマ名古屋系を堪能するなら、ALBUM「絵~エマダラ~斑」がオススメ!
ROUAGE
Laputaとよく並べることが多いが、曲質は若干異なり、文学的な世界感に高音でヘヴィなアプローチのLaputaに対して、ポジパン的なアプローチが強く聞かせる歌い方のヴォーカルと似て非なるバンドです。ROUAGEは初期の名古屋感バリバリの時から後期の文学的でどこか哲学的な世界はスルメのようで初見少し「ん?」と思いますが噛むと味が延々出てくるようなイブシ銀さがあります!
オススメ曲「白い闇」「Cry for the Moon」
名古屋らしさを語るなら初期は必聴です!個人的には「胸に降る雨、胸に咲く花。」「瞳をあけてみるゆめ」「月のながめかた」の3部作がおすすめです。
Merry go Round
ダークさ闇感をもっとも黒夢からの流れで色濃くしたのが、このメリゴ。一時期音源がレア値付きすぎて一生懸命ブックオフで安く置いてないか探しまわったことを思い出します。猟奇的でアングラな雰囲気は後に出てくるそっち系のバンドには大きく影響を与えています。メジャーデビューはしていないがメジャー流通していた音源があった為、全国的な知名度も高かった。真₍vo₎の病的なその様は衝撃的でした。
オススメ曲「桜の満開の木の下で」「飴と鞭」
Merry Go Round 飴と鞭 (ame to muchi)
フルアルバム2枚と音源は少ないが少ない音源でこれだけのインパクトを残しているのはすごい事です。結構音源タイトルがアングラ臭がして中二病にはたまりません。私はジャケ買いならぬタイトル買いをしました₍笑₎
Sleep my Dear
元Silver Roseのローディで結成されており、今回紹介した中では一番銀薔薇の要素を色濃く継承している。このバンドはなんといっても抜群のメロディセンス!正直、商業的に大成功まではしなかったが、当時ではヴィジュアル系好きの中では必ず名前が挙がるメジャーバンドでした。聞きやすく、わかりやすい名古屋系なので名古屋系入門編というCDが出るなら彼らの曲は絶対に使われると思います。
オススメ曲「Ask for Eyes」「φ[phi]」
Sleep My Dear phi(ikusen no kioku)
イントロからアウトロまでのエッジのきいたギター。ヴォーカルが絶妙なんですよね、癖が無いわけでも強いわけでもなく。いい意味で大衆受けするバンドだと思います。
FANATIC◇CRISIS
以前の記事でもご紹介しましたのでそちらを参照。※第4夜参照
しかしながら、POPさを全面に出していたメジャー時代とは違う名古屋しているファナもオススメしておきます。
オススメ曲「黒い太陽」「Truth」
FANATIC◇CRISIS 「黒い太陽 Remake Version」
」
と簡単ではありますが、名古屋系というものを私なりに流れをご説明してみました。
次回は~進化~そして現在~へと続きます。